尚文出版

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コラム

 富士山と不死の薬の伝説

 

『竹取物語』の最後、かぐや姫を迎えにきた天人が持ってきた不死の薬は、帝に贈られます。
しかし、かぐや姫を失った帝は嘆き悲しみ、薬を最も天に近い山の頂で焼くように命じました。
その山を「ふじの山」と呼ぶようになったのです。
焼いた煙が今も立ち上っている、と物語の最後は結ばれています。(当時、富士山は活火山でした。)

 

さて、『竹取物語』の成立からさかのぼること千百年前の中国の話。
秦の始皇帝が不老不死の妙薬を探すために、徐福(じょふく)という人物を日本に遣わした、といいます。
そのとき薬を求めて富士山の麓を訪れたとも伝えられており、富士山周辺の各地には、徐福にまつわる伝説が今も多く残っているようです。

 

全く別の伝説が時代を超えて、「富士山」と「不死の薬」の関わりを示しているのは面白いですね。

『物語による文法の演習〈敬語・識別編〉』より